何も知らないように装い、自然体で適切な運営をするのが良い。
世の中には、そのもの自体は良いものでも、それを意図的に使っていることが他者に知られると都合の悪いものがある。先日、書店でデール・カーネギーの啓発本「人を動かす」のコミック版を読んでいたサラリーマン風の中年男性がいた。彼は、この本を読んで人間関係を円滑にしたいと考えているのかもしれない。
この本自体は優れたものである。詳細は触れないがブログの運営にも応用できる有益な知見が得られる。ところで、こうしたものは密かに読んで実践に役立てるものである。職場の自分のデスクで「人を動かす」という本を堂々と読む勇気はない。
当然だが「人に動かされたい」と望む人間はいない。そこに書いてあることが、いかに的を射たものであってもテクニカルに人を動かそうという人間に従う人間はいない。人間は誰もが自分の意思で能動的に生きることを欲している。
何故こんなことをわざわざ書くのか。ブログで同じ誤りを犯している人がいるからだ。たとえば、あなたがサロン経営者で集客を目的にブログを書いているとする。その人が毎日更新しようとか、読み手の役に立つ記事を書こうというエントリを投稿するのは賢いとはいえない、ということだ。
目的は集客である。淡々と毎日ブログを更新し、見込み客の役に立つであろうエントリを投稿すればいい。
ブログの運営方法も見込み客の役に立つ、知りたい情報ではないか、という意見もあるだろう。確かにその指摘は正しいが、目端の利く読み手であれば、この人は集客という意図をもって戦略的に毎日更新したり、情報提供したりしているのだ、と捉えられるリスクがある。自分で手の内を晒すのはどうなのだろう。
連合艦隊司令官長官、山本五十六は「戦略は見えざるもの」と表現した。これはブログでいえば、毎日更新しようと伝えることではなくて、毎日更新をすることだ。何も知らないように装い、自然体で適切な運営をするのが良い。
ブログコンサルタントや運営法を指導する立場であれば、この話は該当しないが。