awntan_52のブログ

あんなこと、そんなこと、どうでもいいこと。 気まぐれに書いてます。

誰にも侵略されるまいと築いた城を万難を排して優しく溶かしてくれる騎士が現れる保証はどこにもない。

わざわざ防御体勢でナンパ師に会いにいく人はセルフポコタテなの?

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実録ナンパ師対決もの

最近よく見かけるのが、わざわざ恋愛工学徒とかナンパ師に会いにいって、食事をおごってもらいつつ、こんなダサい口説かれ方をしたとレポするパターン。文章としての下世話な需要があるのは分かるし、実際にキモかったのだろう。

だけど、恋愛工学徒とかナンパ師だと分かって会いにいく時点で、自分の魅力はさておいても口説かれるものだろうし、下心をもった男は多かれ少なかれキモい。レポしてやろうと客観視してれば余程の魅力がなければ流されないだろうし、そういうテクニックを明言している人々に地力がないのは当然の帰結だろう。そもそも「対決」しにいく時点で色々と無理だ。

なんていうか、絶対にイカないオンナとしての絶対優位なガードポジションを取られながらも、義務的に切り込んでいく哀れな自称達人のポコタテ対決を読んでいるような気分になる。それでもガードポジションを崩されてしまえばエロ漫画っぽくてよいのだけど、多分レポされないので歴史から抹消される。男性側がセイコウ体験だけを書き重ねるように、コンバージョン率ではなくコンバージョン数だけが歴史に残る。

「取材」としてのガードポジション

そこが下世話に面白いといえばそうなのだけど、靴下の臭いをわざわざ嗅いで「臭い!」と言ってるようにも見える。女性コラムニストの芸の肥やし修行として口説かれにいっているのか知らないけど、相手にサンクコストを支払わせながら「取材」としてのガードポジションを取ったら色々なことが鼻に付くのは当然だし、口説かれた自分に魅力があるわけでも、イカなかった自分がしっかりとしているという話でもない。

そもそもナンパも飛び込み営業もティッシュ配りも、数をこなすことで偶然的にそれを必要としていた人に当たることもあるという話であって、自分からそうじゃないタイミングを作っておけば容易にかわせるだろう。コミュニケーションテクニックについてのガードポジションを取りながら「くやしい!でも感じちゃう」的な魔法を期待しつつ、やっぱりそうじゃなかったという安心感を得たいという話なのだろうか。

実際、非モテ男子と話したときに「別の意図のあるコミュニケーション」に対する罪の意識が強すぎるあまりに「相手に楽しんでもらおう」という発想がないのと、そういう経験がないからこそ相手の女性を簡単に騙せるという前提で話が進んでいくのが面白かったのだけど、「面倒だから愛想が悪い」んじゃなくて「罪の意識があるから愛想よくできない」と言われるとふーむとなってしまう。そんな簡単に「とろんッ…」とさせられるという思い込みこそ相手を馬鹿にしているのだけどね。

奇跡も魔法もないんだよ

実際には奇跡も魔法もなくて、コミュニケーションのテクニックは、コンバージョン率をほんのちょっと高めてくれることもあるだけだし、数をこなせ理論だとコンバージョン率を変えずに試行回数を増やしたり無理筋にも食い下がっているだけ。コミュニケーションテクニックへの期待値が高まり過ぎてるからこそ生まれる怖いもの見たさとガードポジション、一般的なコミュニケーションすら忌避したがる罪悪感、効果があるはずだからと食い下がる必死感など全員を不幸にしているのだろう。

そういう意味では、無闇に高まった幻想の剥ぎ取り行為自体はよいことなのかもしれないし、自衛は必要だ。だけど、あまりに俯瞰症になってしまうと、まともな恋に酔うこともできない不感症になってしまうようにも思えるし、そういう事を書かれる可能性のある人と深く関わりたくないなぁと感じる人もいるだろう。誰にも侵略されるまいと築いた城を万難を排して優しく溶かしてくれる騎士が現れる保証はどこにもない。

( °◡°)