awntan_52のブログ

あんなこと、そんなこと、どうでもいいこと。 気まぐれに書いてます。

幻想とリアル

思いは思いのままに

f:id:awntan_52:20151003075744j:plain 好きな小説が実写化されるとたいてい失望する。映像化が問題なのではない。小説を読んだとき自分の頭に浮かんでいたイメージと実写化された世界観の違いに愕然とするのだ。誰でもそんな経験はあるだろう。

小説は文章だけで情報が伝えられるので抽象度が高い。言い換えれば、これと定められる具体性に欠けるということだ。足りない情報は読み手が主観的に想像して補っているのが普通だ。この補完部分を含めたイメージと実写との差が違和感の原因である。

SNSで知り合った関係というのは、小説を読んで登場人物のことを自由に想像している状態に近いのではないかと思う。顔写真や名前、プロフィール、投稿内容等の部分情報からその人の全体像を思い描くからだ。

私は好きな小説が実写化されるのを望まない。自分の頭の中に想起された完璧な幻想を壊したくないからだ。美しい虚構は虚構のまま大切にしておけば良いのではないか。しかし多くの人間は、現実の実感を求めるようである。

ブログやFacebookで親しくなると「会いたい」という人が少なくない。何故、会いたくなるのか、私にはどうも理解ができない。会って得るものもあるかも知れないが、失うものもあるかも知れない。会わなければ幻想は永遠である。

是が非でも会わねばならぬ、という客観的な理由はよほど存在しない。思いは思いのままにしておくのが一等美しい。


( °◡°)